沖縄の闘い

琉球沖縄のアイデンティティに対する圧政との闘い

この国の終わり 合理性を顧みない国策を続ける日本にいる日本人

 4月15日沖縄県コロナ感染状況

入院中391人(重症者32人、中等症117人)、入院・療養等調整中198人、宿泊施設療養中120人、自宅療養中518人、療養中患者計1227人、死亡130人、累積感染者数11137

名護市感染者数455人(解除385人)、北部保健所管内150人(解除124人)、那覇市3346人(解除3014人)

10万人当たり新規感染者数(4月14日)56.69(全国2位)

 9日に県衛生環境研究所が確認した感染力の強い変異株「N501Y」に感染した20人のうち、15人が北部保健所の管内で確認されていた。

 県は感染拡大に歯止めがかからない要因の一つが変異株としている。県専門家会議メンバーの高山義浩医師は10日の会見で全国の多くの地域で変異株が広がっているとした上で「流行に巻き込まれると、県民が努力をしても防げなくなる」と指摘。感染の中心が変異株に変わる前に、現在の感染状況を改善する重要性を強調した。

 県によると北部で確認された15人は名護市での行動がつながっている。玉城デニー知事は同市を重点措置の対象にした理由に変異株の多さを上げた。

 県の糸数公医療技監は「(15人の)つながりはある程度追えている」として散発的な感染ではないとの見方を示した。クラスター(感染者集団)に当たるかは保健所が調査している。(以上沖縄タイムス記事)

 4月12日沖縄県は政府の「まん延防止等重点措置」に指定され、県も警戒レベルを最高の第4段階(感染まん延期)に引き上げると発表。県民は多かれ少なかれこの(第4波に入った)コロナ禍への警戒感を一層強めている(のだろう)し、県外からの取り分けGWからみの流入もかなりの割合で(ホテルなど)キャンセルされてきている。

 昨年初めに端を発したこのコロナ禍にあって、既にこれまで1年以上にわたり国の無為無策ぶり、むしろ逆効果とさえ言える悪策愚策をいやというほど目にしてきた我々は、こういう、字面だけ「警戒感」を出そうとしている(やってる感丸出しの)国が雰囲気醸成、印象強調路線を発出しているのにもかかわらず、一方で、何が何でも実施しないでは済まない東京オリパラの狂騒曲(IOC会長が絶対的開催宣言を出した)を目の当たりにすると、彼らIOC自公政権、政府、オリパラマフィアたちの、脳漿内にある狂った計算機(公には合理性を閑却した空間に働く)が弾き出す矛盾即合一の奇天烈回答(彼らには通用しても常識的な評価に耐えない答え)に、恐らくは彼らのごり押しの真の犠牲者は、今後間違いなく、実際オリパラなど何の関係もないこの国の普通の民であろうと思わずにはいられない(招かざるべき客である海外からの競技者・関係者が数万人押し寄せ、ダダ洩れ状態の日本の国内防疫体制下、市中に変異株ウイルスをまき散らし、諸処にクラスタを発生させ、収まりのつかない感染無法地帯を現出させるのであろう)。勿論無理筋開催により、さながら競走馬のように命がけで競技人生を全うしようというアスリートたちも、向後逃れようもない感染リスクを背負うこととなる。

 「やってみなきゃわからない」とばかり米英に宣戦布告した大日本帝国の戦争指導者たちがしでかしたのと同じことが、安倍・菅路線によって再現されるのだと。国民は、お上のやることに間違いはないのだからという封建奴隷的心情によって無言の臣従を選ぶ(協賛媒体を固持する報道等関係機関も商業主義の頸木から逃れようもなく戦前並みに翼賛化してしまった)。

 神国日本の妄想に取りつかれ「神風が吹く」的神頼みに安住し(この確実に第4波といえるもののうねりをまのあたりにしてさえ、オリパラに関するコロナ禍制圧宣言まがいの根拠なき勝利宣言先取りを口にし)、「何とかなるだろう」と怯懦にも安穏に多寡を括っているらしい様子が見えてくる(「(政府は)何もやらなかったというのは余りに失礼じゃないでしょうか」と菅は、さも尽力した最善の宰相とでも言いたげな風情でいるようだが、実際は何もしないどころか結果的には悪いことばかりしている)。国民は彼らの作り出す明らかに偽物の雰囲気にのまれ、やがて如何ともしがたく、「なるようにしかならない」と諦めて、オリパラでもなんでもやってやれないことはないと、その脳内のスイッチを否応なく切り替えることだろう。亡国の民よ、覚れ。

 利権既得権塗れの大会実行機関やオリパラマフィアたちのコロナ禍等閑視は、沖縄の基地公害同然の、住民を日常的に不可測なリスクの中に我関せずと置き去りにして臆面もなく我欲に走る、鬼畜的所業でしかない。しかし驚くべきことは、世界中(日本の大メデア・マスコミ・ジャーナリズムも挙って)が彼らを直ちに糾弾することなく、するがままにただ傍観し、どうでもいい話に打ち興じている有様だ(但し、諸外国の主だった報道機関の論調は、確実に国民世論同様の開催反対意見を披歴してはいる)。

 尤も、二階が「中止」の文言を何気に口走ったのは、彼らにも、最早収拾のつかない事態が差し迫っていることを認めざるを得ない有様が手に取るようにわかろう。国内世論、国際世論いずれにおいてもオリパラ狂騒曲を歯噛みして見つめるさまは明らかだ。

 ここまで書いて筆者は如何ともしがたくこの国の精神的乱脈ぶりを痛感し、合理性を等閑視する狂気が人命さえ危うくする実態に戦慄さえ覚える。安倍・菅路線の劣等児ぼんくら政治には早々に埒外に消えてもらう以外ないと。(つづく)