沖縄の闘い

琉球沖縄のアイデンティティに対する圧政との闘い

この国の終わり 何がこの国をだめにしたか?その3

 急激な感染拡大に至ったコロナ禍は、いよいよ東京オリパラなど津波の猛襲並みに根こそぎ粉砕し、それどころでない様相をはっきりと呈し始めた(7月31日感染状況、東京4058人、神奈川1518人、埼玉1036人、千葉県792人、大阪1040人、福岡502人など)。

 しかし、この菅政権は木を見て森を見ない発言や根拠のない楽観論に終始し、現実の森のすさまじい在り様を全く顧みないでいる。この宰相はその物事に対する認識力が決定的に欠けている(馬鹿なのか頭が悪いのか)か、あるいは自己保身に汲々としていて国家の代表のような自身の立場を全然閑却してしまっているとしか言えない(つまりは宰相の器でない)。

 そういう宰相の言動から出てくる極めて不適切で有効でない、むしろ事実に対する真逆のメッセージを、国民の一定の階層はほぼそのまま、コロナ禍などたいしたことがないと受け止めているかこれまで続けていた自粛モードもタガが外れ、東京都新規感染者数4000人越えも当たり前のように起こったわけだ。この事実はまさにこの菅政権自体が、その危機的メッセージ性の欠如という、感染拡大の明らかな原因の第一となっている証左だ。このことを認めたくないがために、あるいは認めたら終わりだと思っているから、菅の記者会見というのは単なる言い訳と言い逃れと言い抜けの場となって、益々我々の反感を買うのだが、しかし元々世論の正当な局面を無視する政権だから、我々の強度の反感は概してこの政権の何らの障害にもなってないことは残念ながら確かだ。(メデア・マスコミ・ジャーナリズムの特にオリパラに対する翼賛的あり方に対する国民の無力感は尋常ではない)

7月31日沖縄県発表コロナウイルス感染症陽性者の状況

入院中509人 国基準重症者64人中等症267人、入院療養等調整中776人、宿泊施設療養中276人、自宅療養中940人、療養中患者計2513人、死亡236人 累計感染者数24761人

名護市895人(解除776人)、北部保健所管内260人(解除238人)

那覇市7117人(解除6453人)

ちなみに28日の新規感染者数347人、29日は392人で2人死亡、30日382人、1人死亡、31日439人(人口比全国1位)

沖縄の感染者数は「1日1000人に増える可能性も」と医師 感染のピークは見えず

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/794702

 一般的に言って、国家や公機関が発する国民向け言動は当然に国家規模等で拡散伝搬され、多くの国民の獲得情報の基礎になるわけで、そういう意味で、現行東京オリパラの見るからに強行開催(世論無視、日本のIOC傾斜、IOCの横暴強圧)継続進行形勢は、コロナ禍の折から、どうしても自粛続きの閉塞状況にある国民に、明らかにコロナ軽視、無視のメッセージを与えたと解釈されるような傾向にあると言わざるを得ないようだ。既に3000人越えを想定外とした上層部の感懐は、東京オリパラ強行開催が国策的失政だと白状したも同然であろう(彼らは決して認めないだろうが)。4000人越えの数値を突き付けられてもオリパラ有観客を言い募る都知事の、橋本、丸川の狂気を国民はどう見るのか。

 しかしこの期に及んで菅は(人流は抑制されている、高齢者のワクチン接種が進みその重症者数が減ってきているーー実際は人流の減衰は緩慢で、むしろ接種前の世代には中等症重症者が増えてきている)と、恰も事態は政権の思惑通りに進んでいるかのように装い、この状況を事も無げに扱って(東京オリパラの)「中止はない」と断言した。しかし無邪気に断言できるほど、現状は何らか有効な指標をどこにも全く示していないことは誰でも知っている。つまり菅が楽観的に断言すればするほどそれが実情から乖離し、国民の反感を買い、信用を失っていることを、この裸の王様は知る由もない。あるいは諌止する側近さえ一人としていないらしい。

 但し、よくよく考えれば菅は明らかに確信犯と思われる。「諸外国に比べ数値的に抑え込んでいる」というのだが、失政の言い訳に過ぎない。GoToキャンペーンもこの東京オリパラも、両是論両立論(両方を立てて両方を良くするーー現状はその逆だ)でさえなく、感染拡大重症者増大など織り込み済みの確信犯的、「未必の故意」的殺人計画、不作為の淘汰主義(自分は何もせずに成り行きに任せるーーその結果はじかれるものははじかれ、生き残るものは....)の最たるものだ。何故なら感染拡大や医療ひっ迫の有効な抑制対策を一切やらずにその逆流施策を強引に進めたわけで、「何もしないなど言い過ぎではないでしょうか?」などとおのれの無能無策悪策を一切顧みることなく自己保身だけを言い募るその情けなさは、この危機状態の日本にある我々国民には到底許しがたいものがある。

 この安部菅路線の驚くべき悪質さを目の当たりにしながら、国民は何らの手立てもなくて過ごしている。むしろ、菅の吹いた笛の音に合わせて、我を忘れ踊りだしたではないか。メデアマスコミジャーナリズムはそのお先棒を担ぎ、愚劣にもこうした「ええじゃないか」風潮を自ら煽っている。見よ!TVの中はオリパラ一色、ヤフーニュースは連日そっち(五輪)の方でより多くの行数を割いている。つまり一億総筋肉バカになっているようだ。ヤフコメにも、感染爆発で悲鳴を上げているコメをあざ笑うかのように、体制礼賛、オリパラ万歳の大合唱を恥も外聞もなくがなるネトウヨがひしめいている。

すれ違っただけで感染!? デルタ株、驚愕の感染力が詳細分析で明らかに...?(World Voice)

https://www.newsweekjapan.jp/worldvoice/hirano/2021/06/post-21.php

 人流を止める以外に、人心の警戒感の引き締めが益々求められるようだ。見たところコロナ禍は、いかなる視点からも決して油断ならない感染リスクを抱えており、重症化、感染後遺症、死亡リスク、どこから見ても完全に感染を防ぐ以外脅威や恐怖からは逃れようもない。したがって、特殊集合的一大イベントである東京オリパラは全くのリスク喚起媒体以外ではなく、これを強引に開催するイベント主催者は、明らかに感染リスク増大責任を最後まで持っていると言わなければならない。その責任は人命にかかわることであり、一種の戦犯容疑として見る必要があろう。開催に加担した者は勿論A級(指導的役割)、B級(実行者)戦犯として裁かれる。これは冗談でもなんでもなく、ましてやパロデイではない。我々の人生一般にかかわることだ、黙って見過ごすことなど決してできはしない。

 馴化、同化、あるいは雰囲気への委譲、なるようにしかならない、諦め、....こんなところが個人的にはソフトラゥンデングしそうな形勢ではある。国民の怒りは(沖縄ではふつふつと煮えたぎるマグマと呼称する)いつ爆発するのだろうか?沖縄は琉球国復活という方向が見えている。日本人は、西側陣営組み込み、対米従属、安保体制というくびき、によってアジア的東洋的アイデンティティから自ら疎外され、戦後70年以上を閲してもなおこの不動の対米傀儡実質から脱しようとしない。

 「日本をダメにした」のは、この上記のような戦後日本の体制には違いないが、当然その明らかな因源は「敗戦」であり、「敗戦」に至った近代日本の歩み方であり、総じてこうした歩みをどこかで食い止めるべきシビリアンコントロールの脆弱さで、それは官も民も立ち位置の違いや差異はあったとしてもそれでも、同じ意味で不甲斐ないと言えそうだ。