沖縄の闘い

琉球沖縄のアイデンティティに対する圧政との闘い

この国の終わり 死活問題でも拱手傍観する日本国民 

 先ず、コロナワクチンのことだが、厚労省の発表によれば令和3年2月17日から6月4日までで、コロナワクチン接種後に死亡した例は196件とされる。

 ワクチンは、そのものが予防効果や症状改善力を持つのでなく、人間に自然に備わっている免疫力を高め活性化させ「抗体」という新機能媒体を生じさせて病因に対し人体自身が抵抗力を持つという内容だ。従って人により何らかの原因で免疫力が極度に弱体化している(その他持病があるなど)ならば、ワクチン接種によってもこの改善が見られず、逆に体そのものが打ち負かされて急激に衰弱死亡するということも十分考えられる。

 厚労省は死亡例につきワクチンとの相関関係としては明確な判定を下してないが、少なくともワクチンが掛け値なく万人に有効なわけではなく、人によっては逆効果になるかもしれないという想定はしておく必要があろう。また当然ワクチンの主体(ウイルス種)が(デルタ株等)変異株のものに取って代わるなら、現行ワクチンが効果のないものになる可能性は残っている。つまりこうした変異株種のワクチンが早急に求められる事態はすぐにでも来るかもしれない。菅のいう東京オリパラに向けた現行ワクチン接種万能説は変異株に関してはかく説得力がない。しかもその変異株はアジアの各地で猛烈な勢いで感染爆発を起こしている。日本のそれもまもなくこれが現行コロナ事情に取って代わると言われている。オリパラどころの話ではない。この不可測ともいえるリスクに対する備えは今のところ日本では明確に示されてない。

インド型コロナ変異株の感染率、英国型に比べ60%高い=英専門家

 https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-britain-variant-idJPKCN2DM0D4

 一方、東京オリパラ開催・中止論争の動向は依然として明確ではないが、頑なに開催強行路線を突き進む一方の国家政府、菅政権、IOCJOC組織委員会等所謂オリパラマフィアのpost truth現象が顕著で、言ってみれば現代的世界的表徴の一つなのだろうと考えられる。それは結局世界的常識とか見識とか正論、あるいは科学的見地などというものに対する破壊的反逆としての反科学、論理破壊破棄、情念第一、狂熱扇情、といった、これまでむしろ社会的に禁忌とされ、抑制、否定されていた情動的公的活動の反倫理的でさえある企てがどういうわけか勢いに乗って、現行通常社会に我が物顔で押し出してきたという流れだ。元々あったそれがトランプや安倍政権の出現でいよいよ洪水並みに溢れだした、というのが実相であろうか。

 頑迷固陋というべきこの国の自公系政治屋たちの国家主義まがいの思考回路には、詐欺的目くらまし言辞においてのみ巧みに織り込まれた似非「民主」アイテムがパンデミックのようになって浸潤し、徐々にそのボデイブローが効き目を表し国民は戦時下のそれのように故知らず自ら頽れてオリパラGoの風潮を醸し出してきたらしい。

 post truth現象は基本的には「公」を「私」の内側に封じ込め「客観」を「主観」で凌駕し、「科学」を「情実」で言いくるめることで、事実上「公」の場と時間においてその本来衆目にさらせないはずの肉体をこれ見よがしにひけらかす、言わば「無恥」の形質を特徴とする。逆に言えばこれまで良識と言われ常識と思われた論理が通用しない、やけに巧妙な「悪だくみ」で出来上がっているため、例えば20世紀前半に立ち現れたファシズム、ナチズム、超国家主義などのように、いつの間にか熱狂を生み総動員体制を構築し、国家をとんでもない方向へ引っ張っていくということが容易に可能となるような時代的特徴を持つ。

 我々一般国民にとって、コロナ対策の功罪は常に直接「死活問題」となっている。安部側用人政治は愚策悪策で国民の嘲笑を買った。しかしながらGoToキャンペーン以前にはそれなりにコロナを封じ込めていたともいえるが、それが無理強いに始まるとあっという間に第三波第4波を引き起こし、医療従事者の負担を重圧化し死亡者を増やし続けた。この教訓に学ぼうとしない菅政権によって今度は緊急事態宣言下で、あるいは世界的パンデミック下で大規模イベントを是が非でも開催したいと、「普通はやらない」行為に邁進し、確実に想定できる人流増大の危険性を顧みず、奇妙な隔離状態での無観客状況で「やることはやる」以外の何らの理念性もないクーベルタンそこのけ国際愚行を断行しようとしている。つまり国民は自ら身を守ろうというなら絶対にさせてはならないこの「死活問題」直結事案こそ、猛反対で切り崩すべきものだといえる。しかしながらこの国の民は先の大戦同様徐々に国家趨勢に否応なく染められ、7月23日の天皇開会宣言を何気に聞く「物言わぬ民」に墜落するわけだ。度し難い。天皇に対する国民感情は著しく傷つけられるのだが、いずれにしろメデアマスコミジャーナリズムこぞって拱手傍観の低劣な「非民主的」国柄を世界にさらけ出すのだ。